2014-01-01から1年間の記事一覧

好きな本の好きな一節というのを繰り返し思い出す。 好きな曲の好きな一節というのを繰り返し思い出す。 好きな人の好きな一面というのを繰り返し思い出す。これらは似ている。 ほんの*1はなし ジャン・コクトー「阿片」 日に焦けて人々が海から帰って来るよ…

携帯を開くと生まれたての胎盤が数十眠っている。これでも大分整理した方なのだ。新しい物語を孕みつつある子宮は、胎児と結び付く胎盤をぺたぺたくっつけて、胎児といえばそれっきり成長しないでもう妊娠何十ヶ月になるだろう。確かに産み落としたいと願っ…

夢のつづき

夢のつづき*1 目が見えなくなるということは大変おそろしい。本来備わっている(いた)はずの『あたりまえ』な自分自身の能力が消えていくとき、そして衰退に何の手立てもかなわないとき、いいしれない不安があなたを襲い、それを食らった妄想が真っ黒な翼で…

私の世界にはどこか空白がなければならない。地図は真っ白でなければならない。調べ尽くされた地図はその意味を理解され得ないままいなければならない。 他人は永遠に理解し得ないものである。私はいつだって真っ白な世界*1の中からひとつの糸口を見つけ出し…