・Decadence du Chocolat*1

 げと、げと、べとり。
 どろどろのチョコレートは手のひらに滴り袖を汚していく。なめらかに舌は蹂躙され喉が渇く。舐めても吸っても馨高い液体は止め処なく溢れてゆく。ぱっくりと割れた手首がスパイシーなバニラの煙を燻らせる。床にへなへなと座り込むとぴきっと音がして膝のピンクペッパーが毀れる。身体中から吹き出すショコラの所為で飲んでいるんだか吐いているんだか分からない。あちらは苦い、こちらは甘い……キャラメリゼされたフローリングで私は溶ける。

*1:2013/03/19 09:21