しかめ面でないと人の顔が見えないことに氣が付いて、視力を測ってもらったら0.5だった。 「今のメガネは度数弱すぎますね。本当にパソコン用とか、近いものしか見えませんね」 コテコテな大陸のイントネーション、しかし流暢な日本語を話す店員に比べて、母…

僕はスピッツが好きだ。今年になってからのことだが。 例えば、愛のことばを今、僕は聞いている。僕は、この優しいメロディ、ことば(リリック)、草野マサムネのことば(うたいごえ)、それらすべてが好きだ。 僕は大変に酔っている。具体的には、自分の所…

cocotiの手前の信号で、地下通路から出た瞬間に煙草の吸殻がふやけている黒い水たまりを踏み抜く。確実に進行する病魔のように、まちがいなく着実に湿っていく爪先の感触は最悪で、軽くため息をついた。 霧雨を浴びながら高校の玄関を抜けて踊り場へ。とうに…

一年間でたった一回だけ。それとも、一年間に一回はある、とでも言うのかしら。 私たちは秋に必ず一度だけ会うことができる。それは、突然訪れる。私は、秋の気配に浮き足立つ。アンニュイな目元に、金色の期待を忍ばせて、あれの来訪を待つ。頼んでもいない…

身体がばらばらになりました、と熱を帯びた人形が囁いた。私がばらばらになんかなっていないよと言うと、まるでばらばらになったような感じがするのです、と、ふうふう息をして答えるのだった。 マリア、硝子の瞳、シルクの髪、陶器の肌、緋色の口唇。その中…

(これは 2015/12/10 23:42 に書かれたものです) 想定される読者:プログラミングの記憶はないが、経験したことがあるはずのひと 末尾呼び出しって知ってる? 英語だとテイル・コール(tail call)なんだけど。 例えば「0からxまでの総和を返してくれる関数sum」…

▲▽▲▽

シヲリは会話にぎこちなさを感じていた。テーブルの向こう側に座っているひとの顔がぐにゃぐにゃして見えるのだった。たあいのない話にへらへら笑い、自分もまた日常の話をするという、つまらないやり取りがたまらなく楽しかったのに、今は自分が何も話せな…

Ice Jotting

というなまえに恥じ入るほどに走り書きをしていない。 どうしてこのなまえにしたのか、もう明確には覚えていないけれど、思い出せるままにすこし'走り書き'をしたいと思う。なまえ、には、強いこだわりを持つ。 持たない人なんているのだろうか。きっといる…

好きな本の好きな一節というのを繰り返し思い出す。 好きな曲の好きな一節というのを繰り返し思い出す。 好きな人の好きな一面というのを繰り返し思い出す。これらは似ている。 ほんの*1はなし ジャン・コクトー「阿片」 日に焦けて人々が海から帰って来るよ…

携帯を開くと生まれたての胎盤が数十眠っている。これでも大分整理した方なのだ。新しい物語を孕みつつある子宮は、胎児と結び付く胎盤をぺたぺたくっつけて、胎児といえばそれっきり成長しないでもう妊娠何十ヶ月になるだろう。確かに産み落としたいと願っ…

夢のつづき

夢のつづき*1 目が見えなくなるということは大変おそろしい。本来備わっている(いた)はずの『あたりまえ』な自分自身の能力が消えていくとき、そして衰退に何の手立てもかなわないとき、いいしれない不安があなたを襲い、それを食らった妄想が真っ黒な翼で…

私の世界にはどこか空白がなければならない。地図は真っ白でなければならない。調べ尽くされた地図はその意味を理解され得ないままいなければならない。 他人は永遠に理解し得ないものである。私はいつだって真っ白な世界*1の中からひとつの糸口を見つけ出し…

Ignorance is the mother of all evil. 仄暗い洞窟でただ夜明けを待っている。月以外に光を放つものなどない闇の中、やっとの思いで辿り着いた夜露をしのげる場所でぼんやりと座っている。妙な安堵感、それによって増す恐怖。底知れない不安感。自分以外には…

・Decadence du Chocolat*1 げと、げと、べとり。 どろどろのチョコレートは手のひらに滴り袖を汚していく。なめらかに舌は蹂躙され喉が渇く。舐めても吸っても馨高い液体は止め処なく溢れてゆく。ぱっくりと割れた手首がスパイシーなバニラの煙を燻らせる。…

前略不安で息苦しいのはちゃんと文章化しないといけないのかなって。君も表だってとやかく言うことはないだろうけれど*1きっと何かと苦しんでいるか、苦しむ感受性を損なっているかしているのだと推測しています。よってささやかながら私は少し語ろう。ひと…

匂いが気になる。腋臭ではなく。 香水の話が書きたい。早く楽になりたい。

<つづき> するどく小さい溜め息を吐いた。いいよ。いいの と念押しの言葉を無碍に扱った。いいよ、付き合ってあげる。奥さんになってあげるよ。短く切った語尾がつい震えたけれど見逃した。 彼は一瞬ぎらっと目を光らせて微笑んだ。良かった心配だったんだ…

神様のいない街には子供がいない。 子供は生まれた瞬間から言葉を喋り、身の回りのことを自分でできる。母親に授乳されるのも泣き叫んでその空腹を知らせるのではなく「申し訳ありませんがおっぱいをもらっても宜しいですか」と断る。夜は情事に耽る両親を思…

初音さんの歌うストロボライトを見ていた。取り返しの付かないことをしてしまった自分が、取り返しの付かないことをしてしまう前の自分に出会ったとき、確かに新しい道へ、やり直しの効く(compensative)道へそっと背中を押すだろう。 けれど、その過程で、…

untitled

文化祭が終わった。 青青とした中高校生にとっては老害としてしか存在しえない受験生の身分でありながら文芸部の部誌にささやかに一編載せて貰った。 語り手の女の子がすこし自意識過剰でネクラで魅力を感じにくいキャラクターになってしまった。彼女に意見…

夢の続き

ダイゴさんの話

ダイゴ。萌えです。萌え。 恋は事故です! と仰ってくださる方がいます。おそらく事故なのでしょう。ですが、事故にも理由があるはずなのに、まったく理由がわからないことがままあります。事故にあった理由がわかりません。安全装置が整備されていなかった…

締め切り守れないし勉強したいし英語できないし何も書けないし現状に納得できないしつらいです

ダイゴ!ダイゴ!ダイゴ!ダイゴぉぉおううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ダイゴダイゴダイゴぉううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースー…

I would love to introduce to you

what? what is it that i would do? what? anyone? no? this is a contradiction... 最近のこと イングランドの浜辺らへんに行ってた。夏休みみたいに。ソルズベリーカセドラルを見ることができてよかった。あれは、人生で一度は訪れるべき。とはいえ、パイ…

春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/10メディア: ペーパーバック購入: 12人 クリック: 205回この商品を含むブログ (358件) を見るふえええ。悲しいよう。悲しいよう。清顕死んじゃったよう。うう。なん…

ページビューを設定しました

足がよくしびれます

ばとーん

☆★☆★恋人バトン☆★☆★ mixiでディベート関係の先輩よりいただきました。 (mixiでやれ)1.今付き合ってる恋人はいますか? x「彼氏が欲しい。具体的には弱視で黒縁メガネのよく似合う身長170cm台中肉中背の年上で性格と頭が良くて友達がいてちょっとダメな…

愛しさと切なさとmurashittestと

最近流行りのブーツカバーってジェットエンジンみたいですよね。火を吹きながら天高く上昇していくギャルたち。ゴゴゴゴゴブファーン。渋谷のスクランブル交差点で気流に乗って東急の屋上を目指すギャル(ジェットエンジン搭載)が急増。東急の屋上は原宿の…

あけました

\パカッ/陸条さんの真似をして、小説のようなものの書き初めをやってみたのですが、とてもpublishできるようなシロモノでもなく。 文芸部の部誌行きかなー、これは、いろいろ肉付けしたらどうにかなるかなー、的な。ともあれ今年もよろしくお願いします。